俺、やるでしょ!と興奮してました(小学生保護者)
本日、授業時に色々と褒めていただいてありがとうございました。
行く前は
「疲れた」
「行きたくない」
とダラダラしていましたが、迎えに行ったら
「すごい出来た!」
「褒めてもらった!」
「俺、やるでしょ!」
と、興奮してました。
私達親より高野先生に褒めていただいて嬉しかったのだと思います。
(小学生保護者)
そうでしたか。
「行きたくない」
と言われても教室に行って良かったですね。
子どもに
「行きたくない」
と言われると、
「じゃあ、今日はやめとこうか?」
と思っても不思議ではありません。
「子どもが嫌がることを無理にさせるのはおかしい」
と真顔で言う空気が世の中にあります。
ですが、もし教室に行っていなければ、
「すごい出来た!」
「褒めてもらった!」
「俺、やるでしょ!」
の興奮は得られなかったのです。
「私達親より高野先生に褒めていただいて嬉しかったのだと思います」
と言っていただきましてありがたいですが、子ども本人が、もう親に褒められるぐらいでは満足できず、他者との競争という刺激の中で勝ち取り、褒められるぐらいでないと満足できない段階に成長したのでしょうね。
授業開始時から集中して取り組んでいた。
→
どんどん先に進んだ。
→
「今、1番だよ」と先生に言われた。
→
興奮のスイッチオン。
という流れでしょうか。
昨日の課題はとても相性が良かったようで、
「またやりたい」
「来年もやりたい」
「もし来年やったら、前世の記憶でもっと早く解けるかも」
と、授業後最後まで教室に残って、嬉しそうにずっと喋っていました。
途中で
「早すぎる!」
「スピード違反で、パトカー100台ぐらいに追いかけられるんじゃないか?」
と言いはしましたが、その前から集中して取り組んでいたのですから、今回手に入れた自信は、本人の努力で手に入れたものです。
また、年上の小学生が焦る姿を見るのも嬉しかったんでしょうね。
異学年混合クラスの魅力のひとつは、
「追うのは楽しく、追われるのは焦る」
を感じながら課題に集中できることです。
こればかりは家庭学習で再現できないと思います。
この子どものように、人が好き、人と話すのが好きなタイプに必要なのは、一緒に学ぶ人です。
褒めるのも確かに大事だとは思いますが、頑張った後でないと褒められない以上、0から1のスタート時に一緒にいて、同じ課題に取り組む仲間がいるのは一番のやる気の特効薬です。
「行きたくない」とダラダラしてした小学生でも、人がいるとガラッと変わります。
これは、「行きたくない」と言われても、それでも教室に行くことを決めた保護者の方へのご褒美です。
ある意味、聞く耳を持たなかったおかげで、子どもがこんなにもハッピーな気持ちになり、「俺、やるでしょ!」の声を聞くこともできました。
これはひとつの成功体験として、胸に刻まれるといいと思います。
開始前、0の状態から一歩踏み出すには相当のエネルギーが必要なタイプではあっても、一旦他者の中に入れば、一瞬で0が1に変わります。
0を1にするのは大変でも、3を5や7にするのは気持ちよくできるタイプです。
中には、7ぐらいまでくると、
「10までやらなくてもいいや」
と飽きる子どももいますが、この小学生は最後までフルスロットルで進めました。
今は「共感」の価値が高いです。
「わかる!」とみんなに言われたいですし、「わかる!」と言うのがコミュニケーションの正解のように思われています。
ですが、今回の件では、「行きたくない」に共感しなかったことで「すごい出来た!」「褒めてもらった!」「俺、やるでしょ!」が得られました。
小学生という、まだまだこれから、ガンガン突き進む時に「わかる」「共感」「思いやり」は、過剰なブレーキになる危険性があります。
乗り越えるべき時に乗り越えておかないと、その不完全燃焼はいずれ劣等感に変わり、捻じ曲がった考え方をするようになります。
人生、まだまだ往路の子どもに対しての対応と、復路に入った人への対応はちがって当然です。
人生の復路、まとめの時期に発破をかけるのも変ですし、「さあ、これから」という時期に「行きたくない?わかるわぁ。じゃあやめときましょ」では、経験値がたまりません。
「行きたくない?わかるわぁ」
というのは、思いやりに溢れる言葉のように聞こえますが、
「あなたにはまだ無理」
「あなたにはまだできない」
「あなたには不可能」
と見限っている意思表明でもあります。
「そこは『あなたならできる』って言って欲しかったなぁ」
と思っている子どももいるのではないでしょうか。
「この子、嫌がってるけど、ひょっとして私の『あなたならできる』待ちしてるのかな?」
と疑うことも、時には必要です。
たった1時間の授業でも、その後の保護者の方からの話も含めると、学びの多い1時間でした。
家で「疲れた」「行きたくない」とダラダラしている子どもをよく見る方にとっては、何か思うところのあるエピソードになったのではないかと思います。
接し方や環境、声の掛け方、色々試してみてください。
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