「特に何もしてません」は逆走です。

「この子は追い込まれても頑張らないかもしれない」

 

と思っておくことです。

 

「小6になったらやるだろう」

 

「中2になったらやるだろう」

 

「中3の夏休みになったらやるだろう」

 

「中3の1月になったらやるだろう」

 

全部甘い見通しです。

こちらは、

 

「いつかやる日が来るだろう」

 

と思って計画を立てていません。

ずっとやる気が出ないままでも、それでも守れるラインを考えます。

それが習慣化であり、ペースを守るということです。

 

やる気を待つ子どもに

 

「やったらできる子」

 

という謎の希望を持つ親がいる場合、

 

「毎日勉強しない」

 

という習慣ができています。

 

「特に何もしてません」

 

と言われる方の脳には、

 

「まだ普通にスタートラインにいるだけです」

 

という思いがあると思いますが、実際は逆走しています。

勉強を始めて、まずすることは数ヶ月、あるいは数年かけてスタートラインに戻ることです。

中1から塾に行って間に合わないのは、12年間逆走してきたからです。

12年の逆走を、定期テスト講座ひとつで取り返せると思ったら大間違いです。

泣いても怒っても取り返せないように、これまで努力してきた人が椅子を明け渡しません。

 

「今まで何してきたの？」

 

「12年、無駄にしたんだね」

 

と鼻で笑われます。

 

「特に何もしてません」

 

は逆走です。

まず、これがわかっていないと、何をしても納得がいかないことばかり起きると思います。

 

長岡の中学校で成績上位に入りたければ、ワークを何周かすれば余裕でトップ10に入れます。

ライバルがいないからです。

その程度の勉強でなんとかなってしまいます。

それで高校に入り、全国模試を受けると、ふつうに偏差値50を切ります。

今までの勉強法は、長岡だから通用したことです。

地区予選のスターは全国大会の裏方です。

盛り上げる側にまわります。

 

結果、心を病みます。

 

病んだ理由は軽く見ていた自分にあります。

 

「ここは長岡なんだ！長岡なんだぞ！」

 

と自覚しておくことです。

長岡だからいい気になれます。

長岡ですらいい気になれなければ、全国は諦めることです。

逆走してきた負債は簡単に返済できません。

また、親が

 

「うちは逆走してきました」

 

とは決して認めないでしょう。

 

だからです。

 

結局は親の考え方と将来設計が最初から間違っていたのです。

敗戦の理由が現場の兵士にないように、親のそもそもの考え方が間違っていると、子どもの選択肢があれよあれよという間に消えていきます。

 

園や学校には、

 

「うちは何もしてません」

 

と言いたい親がいます。

ただ、とにかく言いたいのです。

そういう人は水面下でも時間を無駄にしています。

高校で、自分に夢のある選択肢がないことがどれほど悲しいことなのか、言葉がけがどれほど無力なのか痛感することになります。

自己肯定感を高める言葉がけが、進学先の選択肢の豊富さ、就職先の年収の高さを超えることがあるのでしょうか。

 

数字は言葉を超えます。

言葉が数字を超えたら、あやしい洗脳の匂いがします。

 

「いつかやるだろう」

 

と楽観的に思う人が家族の中にいてもいいです。

ただ、それでも

 

「この子は追い込まれても頑張らないかもしれない」

 

と、少しは脳においておくことです。

 

できる子どもの親は手堅いです。

悲観的に感じる時もありますが、だからこそ成績は安定しています。

話を聞いても、よく子どものことを見ています。

見た上で、微調整をかけているのがわかります。

 

「うちは何もしてません」

 

とかわすより、

 

「いっぱいやってます！」

 

「完全に教育ママです！」

 

と振り切った方が爽やかです。

 

大人と子どもで分かり合えないのが、将来の選択肢です。

子どもは何にでもなれると思います。

大人になると、

 

「何にでもなれるかもしれないけど、事前に準備がいる」

 

ということがわかります。

それを知りつつ、

 

「特に何もしなくていいよ」

 

と言うのか、

 

「だから、夢があるなら今からやった方が絶対いいよ」

 

と言うのかで、子どもが18歳で手元に残している選択肢の質と量が変わります。

 

18歳で親と世間と自分を呪うのか、親に感謝し世間に心を開き自分を信じるのかでは大違いです。

その見通しをした上で、それも受けとめる覚悟で

 

「うちは何もしてません」

 

を通しますか？

 

私は、

 

「いっぱいやってます！」

 

「完全に教育ママです！」

 

「でも、全然うまくいかなくて悩んでいます」

 

という人を応援したいです。

 

会社で成長する機会を与えてもらえるのは、それまでに頑張って結果を出してきた人です。

 

「彼は今まで頑張ってきたから、このチャンスを与えてみよう」

 

「彼女はこれまで結果を出してきたから、今度はこのプロジェクトに参加してもらおう」

 

という気になります。

30歳を過ぎて、

 

「こんなに毎日頑張ってるのに、なんで誰も評価してくれないんだろう？役員全員節穴か？」

 

と思う人は、それまでに手を抜き、楽をしてきたからです。

 

「彼がやるわけないじゃない」

 

と思われているからです。

 

ピンチで逃げ出し、平時は無駄に過ごし、チャンスは棒に振る20代を過ごすと、もう、その先にチャンスを成長機会も与えられません。

 

成長機会を与えられるのは、頑張ってきた人だけです。

長岡でも、どの高校からでも大学を目指すことはできますが、学校側が

 

「え？うちの高校から大学目指すの？なんで？うちの進学実績見た？大学目指すんなら、こんなとこきちゃダメなんじゃない？どういう計画を立てて今まま生きてきたの？もう17歳でしょ？大丈夫？」

 

と思っても不思議ではありません。

実際、共通テスト範囲を教えない高校が長岡市にたくさんあります。

高校で全教科学年1位でも、共通テストを受けられないということは普通に起きます。

 

「何歳からでも逆転できる」

 

「やる気になったらどこにでも行ける」

 

と思うのは自由ですが、高校はその夢が叶う授業を用意していません。

どんなに熱い想いを持っていても、15歳で高卒が決まります。

 

「そんなに熱い想いを持つんだったら、どうして今までやらなかったの？」

 

そう言われて嫌な気持ちになりそうなら、早めに準備することです。

 

2022年新潟大学附属長岡小学校、附属幼稚園に合格しました。

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