今は春休みではない。試験10日前だ。

「春休みになったら」

 

「やる気になったら」

 

と先延ばしにしている人が始めた時には、100時間以上、人によっては200時間以上差をつけられています。

なのに、

 

「みんな頭いい」

 

「自分は頭わるい」

 

と解釈します。

 

それはちがいます。

単純に、勉強時間が足りないだけです。

同じ時間勉強して、どちらが身につくか？という話なら別です。

勉強時間にこれだけ差があって、フェアな競争ができるわけがありません。

 

世間的には春季講座というものがあるのでしょうが、当教室にはありません。

短縮授業になったらすぐ、春休みになったらすぐ、

 

「明日から早めに行っていいですか？」

 

「朝から行っていいですか？」

 

と連絡があります。

 

春季講座を設定するのは親です。

 

親が家にいる子どもを見て、

 

「頭の良し悪しじゃなく、勉強時間がただただ足りない」

 

と思ったら、待っててはダメです。

様子なんて見ないことです。

 

ご時世的には

 

「いやならやらなくてもいいよ」

 

「あなたのペースでいいよ」

 

「だって、高校受験前あんなにがんばったもんね」

 

と、優しい世界が好まれます。

それはネット上で受けるだけのことであって、現実世界で点数を取る人は口が裂けても言いません。

ネットでいいねを100個もらっても、4月最初のテストでつまづいたら、年末には進路変更です。

 

なんにもいいねじゃないです。

誰も責任なんて取ってくれません。

 

「油断w」

 

と書き込まれて終わりです。

 

高校生には何度も話しているのですが、私は近所の焼き肉チェーン店の前を通るのが怖くて仕方ありません。

 

「そんなにはしゃいでて大丈夫か」

 

「4月末に学校行きたくないなんて言うなよ？勉強しなかったのは自分なんだから」

 

「数ある春休みの過ごし方の中から遊ぶという選択をし、実行したのはあなただからね」

 

「もうその年齢ならわかるでしょ」

 

とひやひやします。

1年間努力しても、消える時は一瞬です。

消えたあと、

 

「あの塾行っても意味なかった」

 

という人もいますが、その塾の先生も、そこまで気を抜くのは想定外だったはずです。

プロ野球の世界でも、ドラフト1位になった瞬間がキャリアの頂点みたいな人がたくさんいます。

 

「ここから頑張ります」

 

と口では言っても、実際にやらなければ向上はありません。

 

今、高校生は春休みではありません。

最初のテストの10日前です。

中学校なら、定期テスト2週間前から部活も休みになります。

差し迫った感覚が、学校にいれば感じられたのに、春休みは感じられません。

 

「雪もなくなったし、どこか行くか！今しかない！」

 

じゃないです。

国立大学理系を目指して入学した生徒が、3年後何県にあるかもわからない、何を学べるのかもわからない、どこに就職できるかもわからない私立文系大学に入学するかどうかは、最初のテスト次第です。

 

こんなに時間がある時に勉強しない生徒は、勉強に向いていません。

 

「こんなもんでしょ？」

 

と親が言っても、生徒を選ぶのは大学側です。

大学が、油断する生徒を熱望しているかどうかです。

 

「今から頑張るか！」

 

「スタートダッシュだ！」

 

と思った時には、シード権は失っています。

 

「テレビ中継車がいるし」

 

と安心していたら、最後尾の4号車です。

そんなに勉強しない人に、

 

「合格おめでとう」

 

「よくがんばった」

 

と、あったかい毛布をかけてくれる人はいません。

 

最初のテストも公式記録として残ります。

受験前、泣いて先生に懇願しても消えない記録です。

 

「先生！評定があと0.1足りないんです！なんとかしてください！」

 

と父親が出て行っても、通用しないものは通用しません。

 

「あの時勉強しとけばよかったね」

 

で終わりです。

終わる理由は本人のせいです。

そして、そこまで油断させたのは親です。

 

合格を、3年後の不合格の伏線にしないことです。

そんなミステリー、誰も求めていません。

犯人も真犯人も、ぜんぶ本人です。

 

「それ、私です。あ、それも私です。なんなら、あれも私です」

 

と、自供が止まりません。

 

今は春休みではありません。

試験10日前です。

やるしかないです。

やりましょう。