強みと弱みの話（P.F.ドラッカー）

人の弱みに配慮して人事を行えば、うまくいったところで平凡な人事に終わる。

強みだけの人間、完全な人間、完成した人間を探したとしても、結局は平凡な組織をつくってしまう。

大きな強みを持つ人は、ほとんど常に大きな弱みを持つ。

山があるところには谷がある。

しかも、あらゆる分野で強みをもつ人はいない。

人の知識、経験、能力の全領域からすれば、偉大な天才も落第生である。

申し分のない人間などありえない。

そもそも何について申し分ないかも問題である。

できることではなく、できないことに気をとられ、弱みを避けようとする者は弱い人間である。

おそらくは、強い人間に脅威を感じるのであろう。

しかし、部下が強みを持ち、成果をあげることによって苦労させられた者などひとりもいない。

 

「プロフェッショナルの条件　ーいかに成果をあげ、成長するかー」P.F.ドラッカー

 

いつ読んでも、気づきのある本というものがあります。

読むたびに、別の言葉が気になる本があります。

ドラッカーの書籍も、そのような1冊です。

初めて読んだのは6年前です。

当時、一番気になったのは「成果をあげる」項目でした。

 

ですが、それから時が経ち、今気になったのは「強みと弱み」でした。

弱みを克服するのは、ある程度までならできます。

ある程度までならできますが、じゃあ、それで生きていくかというと怯みます。

それよりは、自分の強みを自覚し、それに集中して、さらに強化する方がやる気になりますし、結果も出ます。

 

「バランスよく」

 

という言葉は、幼稚園、保育園、小学校で何度も聞きます。

バランスよくできる子どもはいいですが、バランスがとれない子どもの方が多いと思います。

バランスがとれない子どもに、

 

「バランスよく」

 

という言葉は、あんまり嬉しい言葉ではありません。

むしろ

 

「もう言わないで」

 

と思う子どももいるでしょう。

 

強みを伸ばしたいと思った時、頭のどこかで「バランス」という声も聞こえてくると思います。

ですが、それに引っ張られると、強みもなく、弱みも少し残るという、なんとも中途半端な人間が仕上がります。

強みは誰にでもあります。

あるのですが、「バランスよく」の呪縛に囚われている人は、子どもの強みより弱みにスポットライトを当てます。

 

「なんかこの子おかしい・・・？」

 

と、最高の強みがあっても、それに気がつきません。

強みを伸ばすには、「バランスよく」の考え方を一旦隅に置いておいて、強みを伸ばすことに集中することです。

 

「山があるところには谷がある」

 

と言われています。

これだけでも、

 

「昔の人は良いこと言うなぁ」

 

と思います。

 

「谷を克服しよう」

「谷を人並みにしよう」

 

と思うより、

 

「山をもっと良くしよう」

「山をもっと魅力的にしよう」

 

と思った方が、充実した生き方ができそうですね。

 

今年は新潟大学附属幼稚園に2名、新潟大学附属長岡小学校に8名合格しました。